Very Very Very/新潟の写真館

ニュートラルな空間が求められる現代において、VeryVeryVeryほど緻密にフィクションな物語が作られ、
そこでの体験が想定された建築を知らない。
設計に際し求められたことは
・子供が動く(身振りや表情)環境を作ること。
・子供が留まる重心の拠り所を作ること。
街路と呼ばれている、外部環境のように仕立てられた通り土間空間と、それに接するように1Fには5室、2階には4室が配置されている。
多種多様なインテリアが施された各室には、決して繋がりがチグハグにならないように、ひとつながりの物語の上にきちんと役割を与え、
各室同士は開口や吹抜を介し緩やかに繋がりをもつことで、常に気になる向こう側、そしてこちら側として存在している。
迷路のような平面計画に、慎重な素材の選択と間仕切りそのものの在り方の検討を重ねることで、「迷路性」と同時に
瞬間の光の差し込みのような視線の抜けによる「透明性」をも成立させることが出来ている。
街路にはシマトネリコを地植えし、撮影には大きなガラスから入る自然光を利用することで、フィクションの中の一つの真実としてある四季の移ろいが、
空間を更に多様にしている。
この環境での子供達は、走っては留まり、そしてまた走り出し、発見と観察を繰り返し、まるで何かとの追いかけっこをしている様子。
それは虚構あふれる現代において自らの意思と行動で真実を見つけて成長していく、彼ら子供達の現在に他ならないのではないだろうか。
そんな、子供達が成長していく瞬間をカメラが追いかけ記録していく事で、ここに1つのノンフィクションな物語が紡ぎだされる。
そんな、全く新しい写真館が新潟市内新和に誕生した。

竣工
2012.10
種別
改修
用途
写真館
規模
211.2㎡
構造
木造
所在
新潟市中央区新和
設計
東海林健建築設計事務所
施工
吉原組(担当 小松)
撮影
©内山 尚亮

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